【動物学】ミーアキャットは競争相手に負けない大きさに成長して生き残りを果たす
Nature
2016年5月26日
野生のミーアキャット(Suricata suricatta)は、成長速度と食物摂取量を調節して繁殖競争の相手以上の大きさになっていることを示唆する論文が、今週掲載される。
多くの動物社会では、社会的順位が年齢と体重、従って成長速度に関係している。数種の脊椎動物と哺乳類では、成長速度が社会環境と関連して変化することが明らかになっているが、繁殖行列で抜かれてしまう可能性のある競争相手の成長に応じて成長速度を上げる個体がいるのかどうかは分かっていない。
今回、Elise Huchard、Tim Clutton-Brockたちの研究グループは、カラハリ砂漠に生息する野生のミーアキャットの一群(計14群)を対象とする研究を行った。この研究では、同性の同腹仔のペアを特定しておいて、それぞれのペアにおいて体重の軽い個体に半分にしたゆで卵を1日2回与えて3か月続けた。次に、ゆで卵を与えられなかった方の個体の成長速度とその個体と同年齢の非同腹仔で、同一期間中にゆで卵を与えられなかった個体(対照)の成長速度の比較が行われた。その結果分かったのは、ペアのミーアキャットのうちでゆで卵を与えられなかったミーアキャットの平均食物摂取量と平均体重が、絶対値でも対照との相対値でも増加して、ゆで卵を与えられた同腹仔の成長の増加に応答したことだ。これに加えて、いずれの性のミーアキャットでも優位性を獲得した後に、その体重と同性の劣位者の中で最も重い体重との差が小さい場合にはさらに顕著な成長の第2期が起こった。以上の新知見は、劣位者が、繁殖競争の相手となりうる個体の成長と体の大きさの変化を随時把握でき、自らの成長を調節することで対応できることが示唆されている。
Huchardたちの研究グループは、他の社会性哺乳類(家畜と霊長類を含む)においても競争のリスクに対する適応応答が同じように起こり得ると推測している。
doi:10.1038/nature17986
「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。
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