Press release

東京が研究パートナーシップの「ハブ」に

2016年11月16日

東京は共同研究の中心地となっていることが、本日発表された特別企画冊子Nature Index 2016 Collaboration」で明らかになりました。この日本の首都は、2015年の各都市における研究パートナーシップの数で第2位に位置付けられています。

Nature Indexに含まれる68誌の自然科学系ジャーナルに掲載された論文において、2つの大学や研究機関からの著者による共著で東京の機関を含むものは920件を超えます。世界トップはパリの1932件でした。

Nature Index 2016 Collaborationsによれば、東京の研究パートナーシップの中心的存在となっているのは、同Indexで日本最高位にランクされる東京大学です。東京大学は、昨年東京で成立したパートナーシップの8分の1に関わっており、これには強力なパートナーシップ上位10件のうちの8件が含まれます。そのうち論文出版に最も寄与した共同研究は、理化学研究所 創発物性科学研究センターとのものです。

Nature Indexの創設者であるDavid Swinbanksは次のように述べています。「創発物性科学研究センターが設立後間もないことを考えると、東京大学と同センターのパートナーシップの強さは目を見張るものがあります。十倉好紀センター長が東大出身であることが、この強いコラボレーションの構築に一役買っているのでしょう」

Nature Index 2016 Collaborationsからはまた、科学の分野では国際的な共同研究が至る所で見られることも分かります。複数国の著者が関わる論文は、2012年から2015年にかけて増加の一途をたどり、Nature Indexが2015年に追跡した全論文の43%を占めるまでになりました。この傾向は、質の高い科学を生み出す上で、国際パートナーシップの重要性や貢献度が高まっていることをはっきりと表しています。

また、Nature Index 2016 Collaborationsの分析によると、質の高い研究のかなりの割合が、同じ都市の組織に属する研究者間の協力によって生み出されています。全世界の最も強力パートナーシップ100のうち半分近くがこれに当てはまります。例えばハーバード大学は、近隣のマサチューセッツ工科大学(MIT)やボストン大学と緊密に協力しており、この現象は、研究者同士の地理的な近さとともに、社会的・組織的なつながりが深いことで説明できるでしょう。

国レベルでは昨年、中国と米国が最も強力なパートナーシップを築きました。米国と日本の組み合わせの規模は、世界で7番目でした。

さらに詳しい情報については、ウェブページをご覧ください。

Nature Indexについて

Nature Indexは、世界トップクラスの研究成果を国・機関別にプロファイリングするデータベースです

・研究者が自身の最高研究成果を発表したいジャーナルとして選んだ68誌を厳選収録
・世界の国々と8000機関以上の研究プロファイルに容易にアクセス
・最新の研究成果を報告する原著論文のみを収録
・2012年以降のデータを収録(毎月更新)
・クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの下で無料公開

Nature Indexの論文カウント方法

・Article Count(AC):共著機関または共著国全てに対して1論文を1と数える計算方法
・Fractional Count(FC):共著者の割合に応じて国や機関に論文数を割り振る計算方法
・Weighted Fractional Count(WFC):世界で出版されているジャーナル総数が極めて少ない宇宙物理科学を他分野と同様にカウントすると比重が重くなりすぎるため、宇宙物理科学にのみ重み付けを行うことで標準化している。

詳細は、次の担当者までお問い合わせください。
大場 郁子
シュプリンガー・ネイチャー
E:Ikuko.Oba@springernature.com

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