Press release

科学者による研究データの公表と再利用を支援する Scientific Data 創刊

2013年12月5日

ネイチャー・パブリッシング・グループ(NPG)は、2014年春の Scientific Data 創刊を発表しました。Scientific Data は、科学的に貴重なデータセットが記述された論文を出版するための新しいオンライン限定のオープンアクセス誌で、この秋に論文投稿の受付が始まりました。Scientific Data の対象は、当面、生命科学、生物医学、環境科学の各コミュニティーからの実験データセットに限定されますが、将来的には、その他の自然科学の分野への対象拡大が計画されています。

Scientific Data では、新たに導入される“Data Descriptor”というコンテンツが出版されます。Data Descriptorは、実験データセットと観察/観測データセットが詳細に記述された査読付き科学出版物です。これは、従来の科学出版物のコンテンツと社内キュレーションを経た構造化情報とを組み合わせたもので、再利用性を最大限確保し、検索、リンク付け、データマイニングもできます。さまざまなジャーナルに掲載された論文と関連付けることも可能です。 NPG事業開発担当ディレクターのJason Wildeは、次のように話しています。「この数年間、研究者、研究助成機関と学会のいずれもが、科学研究論文と研究データの入手性、再利用性と再現性を高める新たな方法を求めていました。科学研究の基礎となるデータの共有と再利用の支援が Scientific Data の中心的な使命なのです」。

一方、Mark Thorley(英国自然環境調査局科学情報部長、英国研究会議研究成果ネットワーク会長)は、こう話します。「Scientific Data は、データセットの正式な査読、出版と引用を可能にするとともに、オープンデータ運動を推進し、自然環境調査局(NERC)とその他の研究組織が保有するデータの再利用を促進する現実の機会といえます」。

Scientific Data は、引用可能な出版物を通じて、研究データの寄託と共有に尽力した研究者の功績を認めます。Scientific Data のオンラインデータプラットフォームを利用すると、クリエイティブ・コモンズのライセンスの下で、本誌のData Descriptionのセクションにアクセスでき、検索できるようになっています。実際のデータファイルは、研究コミュニティー認定の1か所以上の公共リポジトリで保管されます。公開されるData Descriptionと関連データ全体の確認は、査読過程の一環として実施されます。研究コミュニティー認定のリポジトリがない場合には、Scientific Data は、汎用性の高いリポジトリ(例えばDryadやFigshare)へのデータの寄託をサポートします。受理されたData Descriptorは、出版料金(APC)の支払い後に必ず出版されます。APCには、Data Descriptionのキュレーション過程の費用も含まれます。

オックスフォード大学e-Research Centre(英国)のアソシエートディレクター兼主任研究員のSusanna-Assunta Sansoneは、この数か月間、NPGのチームと共同で、Data Descriptionのコンセプトを定める作業を行ってきました。このほど、彼女は、Scientific Data の名誉アカデミックエディターに任命され、今後、編集諮問委員会(上級研究員、データリポジトリの代表者、バイオキュレーター、ライブラリアンと研究助成機関の担当者によって構成され、方針、基準と対象範囲に関する指針を示すことを任務とします)と密接に連携することになっています。

Sansoneは、次のように話しています。「データのキュレーション、共有と公表をめぐる議論は今も続いています。さまざまな組織が特定状況下のデータの共有と再利用を促進する方向に動き出し、一部の組織はデータの共有と再利用をサポートするようになったため、議論が活気を帯びてきています。新しいジャーナルScientific Data を作り上げる社内過程に対して情報を提供するため、めまぐるしく移り変わるデータ管理と学術コミュニケーションの分野を常に把握していきたいと考えています」。

※本プレスリリースの原本は英語であり、日本語は参考翻訳です。
EN: http://www.nature.com/press_releases/scientificdata.html

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