注目の論文
充電池の質を高める新たな材料
Nature Communications
2011年8月10日
Enhancing rechargeable batteries
マグネシウム硫黄充電池の実現に向けて進展があったことが明らかになった。今回発表される充電池は、低コストで、エネルギー密度が高く、電気自動車での使用に適している可能性がある。この研究の詳細を報告する論文が、今週、Nature Communicationsに掲載される。
マグネシウムは、天然存在度が高く、エネルギー貯蔵容量が大きいため、充電池の負極材料として理想的だ。ただし、マグネシウムの表面の化学的特性のため、適合性のある正極材料と電解質の選択肢は少ない。硫黄系正極は、低コストで、理論的容量も大きいが、特定のタイプの電解質と結合させる必要がある。今回、J Muldoonたちは、ヘキサメチルジシラジドマグネシウムクロライドと三塩化アルミニウムから非求核性電解質を作製して、硫黄系正極と適合性のあることを明らかにした。
以上の原理実証の結果は、実用的なマグネシウム硫黄充電池に向けた一歩前進を意味するものかもしれない。ただし、その実現には、多硫化物や硫黄の溶解によって利用可能な活性硫黄材料が減る現象を抑えることのできる新たな溶媒が必要なことをMuldoonたちは指摘している。
doi: 10.1038/ncomms1435
注目の論文
-
4月25日
創薬:脳オルガノイドを使って神経発達障害の治療法を検証するNature
-
4月25日
医学:実験室で培養された「ミニ結腸」をがん研究に用いるNature
-
4月23日
がん:複数のがん種の診断ツールNature Sustainability
-
4月16日
医学研究:一部の患者では、抗体がパーキンソン病の運動機能症状の進行を遅らせる可能性があるNature Medicine
-
4月11日
生態学:森林管理の認証制度が哺乳類の大型種と絶滅危惧種の保護に役立っているNature
-
4月11日
医学:インフルエンザ感染に伴う肺損傷の予防薬候補がマウスの試験で好結果Nature