Research Press Release

化石:100年前に出土したアフリカのヒト族の頭蓋骨

Nature

2020年4月2日

Fossils: African hominin skull comes of age

1920年代にザンビアの洞窟内堆積物(年代不明)から発掘された重要なアフリカのヒト族の頭蓋骨化石の最適年代推定値が29万9000年前であることを報告する論文が、今週、Natureに掲載される。このブロークンヒル(カブウェ)の頭蓋骨について報告した論文がNature で発表されたのは約100年前のことだったが、今回の研究結果は、ヒト族の系統樹におけるブロークンヒルの頭蓋骨の位置付けに役立つ。

ブロークンヒルの頭蓋骨は、1921年に金属鉱石の採掘中に洞窟内堆積物から発掘され、当初は、新種ホモ・ローデシエンシスの頭蓋骨とされたが、最近になって、更新世中期にヨーロッパとアフリカで生活していたホモ・ハイデルベルゲンシスのものとする研究報告があった。出土品の年代測定は、その出土品が発見された堆積物がもはや存在しないため、困難な作業になっている。また、この化石標本には高濃度の重金属が含まれていたため、特に放射性年代測定が難しかった。そのため、ブロークンヒルの頭蓋骨の年代は、議論の的となっており、50万年前のものとする研究者もいる。

今回、Rainer Grun、Chris Stringerたちの研究チームは、頭蓋骨が発見された翌日に同じ地域で発掘された他の骨化石(例えば、脛骨と大腿骨の断片)を分析し、1920年代に研究者が頭蓋骨から直接こすり取った試料(英国ロンドンの自然史博物館のアーカイブで最近発見された)も分析した。その結果、ブロークンヒルの頭蓋骨は約29万9000年前のものと結論付けられた。

更新世中期のアフリカは、ヨーロッパとアジアと同様に、複数のヒト族系統が同時に存在しており、ホモ・ハイデルベルゲンシスとホモ・ローデシエンシスの複合体が、現生人類の妥当な共通祖先でないかもしれないことが今回の研究結果から示唆されている。

doi:10.1038/s41586-020-2165-4

「Nature 関連誌注目のハイライト」は、ネイチャー広報部門が報道関係者向けに作成したリリースを翻訳したものです。より正確かつ詳細な情報が必要な場合には、必ず原著論文をご覧ください。

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