Nature ハイライト

Cover Story:協同運動:緩く結合した粒子が協同して動くロボットを作る

Nature 567, 7748

生細胞は、集合して創傷治癒などのタスクを集団で行うことができる。モジュールロボットシステムは、こうした種類の過程を模倣するよう設計されているが、構成部品に対するある程度の集中制御を必要とするか、スケーラビリティーを制限する複雑な設計を含むことが多い。今回H Lipsonたちは、多数の個別ユニットからなり、生体模倣の新しい方法をもたらし得る「粒子ロボット」を提示している。この粒子は円盤状で、カメラの絞りのように広がったり縮んだりできるが、独立して動くことはできない。著者たちは、磁石を使って粒子同士を緩く結合することで、外部刺激(今回は光)によって、粒子の振る舞いを個々の振動から刺激の方へ向かう集団運動へと変化させられることを示している。この効果は、25ユニットからなる粒子ロボットで実証され、最大10万ユニットからなる系でシミュレートされた。これは、この集団挙動を容易にスケーリングできることを示している。今回のシミュレーションからは、この集合体が構成粒子の5分の1が故障してもまだ機能するはずであることも明らかになった。

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