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ナノテクノロジー:1万個の特異な構成要素から三次元ナノ構造体へのプログラム可能な自己集合

Nature 552, 7683 |  Published: |  doi: 10.1038/nature24648


核酸(DNAとRNA)は、複雑さが増し続けているナノメートルスケールの構造体の構築に広く用いられており、構造生物学、生物物理学、合成生物学、フォトニクスなどの分野で応用できる可能性がある。ナノ構造体は、ワンポット自己集合によって形成されており、初期のキロダルトンスケールの例は典型的には数十の特異なDNA鎖を含んでいた。多くのステープル鎖を用いて1本の長い足場鎖を所望の構造に折りたたむDNA折り紙の導入によって、数百の特異なDNA鎖を含むメガダルトンスケールのナノ構造体が得られるようになっている。さらに大きなDNA折り紙構造体も可能ではあるが、ますます長くなる足場鎖を作製し操作することはまだ困難である。より容易に拡張可能な別の方法の1つに、連結できるように配置された4つの短い結合領域からなるDNAレンガの集合がある。この方法は足場を必要とせず、代わりに、短いDNAレンガ鎖が特定のレンガ間相互作用に従って自己集合する。三次元構造体を作るのに使われた第1世代のDNAレンガは32ヌクレオチド長であり、4つの8ヌクレオチド結合領域からなる。数百の異なるDNAレンガを集合させて適切な形の構造体を作るように誘導するプロトコルが設計されているが、より大きな構造体を作る試みは、実行上の困難に直面し、あまり成功していない。本論文では、より長い13ヌクレオチドの結合領域を持つDNAレンガを用いることで、数万の特異な構成要素から0.1~1ギガダルトンの三次元ナノ構造体(約3万個の特異なDNAレンガからなる0.5ギガタルトンの直方体や1ギガダルトンの回転対称四量体を含む)を自己集合によって作製できることを示す。さらに我々は、約1万個のDNAレンガからなり、一意的にアドレス可能な13塩基対の「ボクセル」を約2万個含む、三次元彫刻の分子キャンバスとなる直方体も作製した。この分子キャンバス内に、ユーザーが指定した複雑な三次元の空洞を作り出すことができ、文字、らせん体、テディベアなどの形状の作製が可能になる。構造設計、鎖合成、集合手順をさらに最適化すれば、さらに大きな構造体を実現できると予想され、機能部品の配置などの応用に役立つ可能性がある。

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