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生物海洋学:魚類の産卵海域に集まる多様な発声性海生哺乳類種の大群

Nature 531, 7594 doi: 10.1038/nature16960

海生哺乳類(MM)の複数個体群を広大な生息海域にわたって時空間的に継続して観察することは、困難ではあるが、MMの分布域の確実な記録を収集したり、行動や被食者種との相互作用を明らかにするために不可欠である。今回我々は、北大西洋の重要な摂餌場で受動的海洋音響導波路リモートセンシング(passive ocean acoustic waveguide remote sensing;POAWRS)を用いて、約10万km2の海域でさまざまなMM種の発声を瞬時に検知し、その位置を特定して分類を行った。8種を超える発声性MMが、夜間にはニシンが密集して大群となり日中にはニシンが拡散して分布する魚類産卵海域に空間的に集中することが分かった。複数の発声性MMが、被食魚類のいる広大な海域を、空間的な重なりがさまざまに異なる種特異的な採餌海域へと分割し、それらをニシン産卵期の2週間以上にわたって維持することが明らかになった。記録された発声の頻度は、全MM種において日周(24時間)依存的であり、夜間に有意に多く発声する種もあれば、日中の発声が多い種もあった。この海域の主要なヒゲクジラ4種(ナガスクジラ、ザトウクジラ、シロナガスクジラおよびミンククジラ)では、発声の頻度の傾向として、魚群形成密度の傾向との高度な相関や、日周期を通じた相互の高度な相関が見られた。これらの結果は、1つの大きな生態学的ホットスポットを形成する広大な被食魚類生息海域の付近での、複合的な多種MM採餌活動の時空間的動態を明らかにしており、既存の方法論では得られなかったものと考えられる。MMの行動や分布を解明することは、海洋生態系の管理や、保護対象となっているこれらの海生生物種に対する人為的影響を把握するのに不可欠である。

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