Nature ハイライト

惑星科学:火星にメタンは見つからなかった

Nature 568, 7753

火星大気を分析するトレース・ガス・オービター(想像図)。
火星大気を分析するトレース・ガス・オービター(想像図)。 | 拡大する

Credit: ESA/ATG medialab

火星でメタンが検出されたことから、地球化学的過程や生物的過程が火星におけるメタン生成を担っている可能性が示唆されてきた。火星では過渡的で局地的なメタン濃度の上昇と、大気中メタンの背景濃度の季節変動の検出が報告されているが、これらを、火星大気の化学と物理に関する現在の理解に基づいて予想されている均一なメタンの分布と容易に両立させることはできない。今回、ESAとロスコスモスによる「エクソマーズ」ミッションのトレース・ガス・オービターよる初期の観測結果から、両半球の広範囲の緯度にわたってメタンが検出されなかったことが示されている。著者たちは、メタンの上限値が、これまで報告されている検出結果よりも10分の1〜100分の1と低いことを報告している。彼らは、先の研究で報告されているメタン濃度と今回の発見を両立させるには、メタンを下層大気から速やかに除去できる未知の過程が必要であると示唆している。

2019年4月25日号の Nature ハイライト

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