Nature ハイライト

神経科学: エネルギーバランスにおけるレプチンの役割の背後にある脳回路

Nature 556, 7702

脂肪組織から分泌されるホルモンであるレプチンは、脳の視床下部弓状核内の受容体に働き掛けることで、食欲やグルコースバランス、体重を調節している。弓状核の2種類のニューロンが、レプチンに応答することが知られており、それらは、アグーチ関連ペプチド(AGRP)ニューロンと、プロオピオメラノコルチン(POMC)ニューロンである。マウスで遺伝的にレプチンかその受容体(LEPR)を除去すると、重度の早発性肥満と糖尿病を引き起こす。しかし、AGRPおよび/あるいはPOMCニューロンでLEPRを欠失したマウスでは代謝異常は中程度であることが、この分野の研究者たちを何年にもわたって悩ませてきた。D Kongたちは今回、脳のどのニューロンがレプチンの作用に関与しているのかという長年の疑問を再検討した。彼らはCRISPR–Cas遺伝子編集により、成体マウスのAGRPあるいはPOMCニューロンでLepr遺伝子を不活性化し、LEPRを全身で欠失したマウスで見られる重度の肥満と糖尿病は、AGRPニューロンにおけるレプチンシグナルの欠失によって再現されるが、POMCニューロンでの欠失では再現されないことを示している。レプチン入力がないことによるAGRPの脱抑制を化学遺伝学的に抑制すると、マウスの食餌摂取やグルコースレベルが正常化したことから、弓状核のAGRPニューロンが一次レプチン応答ニューロンであるとする説のさらなる裏付けが得られた。

Letter p.505
doi: 10.1038/s41586-018-0049-7 | 日本語要約 | Full Text | PDF

2018年4月26日号の Nature ハイライト

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