Nature ハイライト

Cover Story:がんにおける免疫チェックポイントの遮断:PD-L1/PD-1の阻害や変異新抗原の発見による抗腫瘍免疫の増強

Nature 515, 7528

表紙は、3つのT細胞および1つの腫瘍浸潤免疫細胞と相互作用している腫瘍細胞(左側の赤色)である。最近、免疫チェックポイントを標的にするがん治療法と、この治療戦略に反応性を示す可能性のある患者の選定に関する詳しい研究に関心が高まっている。こうした傾向に鑑み、今週号には5報の論文がまとめて掲載されている。多様な種類のがんで発現が増加している膜貫通型タンパク質のPD-L1(programmed death-ligand 1)や細胞表面にあるその受容体PD-1の阻害は前臨床試験で有望と分かり、現在複数の臨床試験が進行中である。T Powlesたちは、抗PD-L1抗体MPDL3280Aを投与した転移性膀胱尿路上皮がんにおける第1相臨床試験の結果を報告している(Letter p.558)。またR Herbstたち(p.563)とP Tumehたち(p.568)はそれぞれ、進行期肺がんおよび黒色腫でのPD-L1/PD-1の阻害が治療反応性を増強する仕組みについて調べている。M Yadavたち(p.572)とM Gubinたち(p.577)は、変異体腫瘍抗原がPD-L1/PD-1阻害によって活性化されたT細胞応答でのリガンド形成に関わっていることを実証している。

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