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がん:がんのチェックポイント阻害免疫療法は腫瘍特異的な変異抗原を標的にする

Nature 515, 7528 doi: 10.1038/nature13988

免疫系は発生中のがんの運命に影響を与えるが、それは、細胞を形質転換しやすくさせ、腫瘍の成長を促し、腫瘍細胞の免疫原性を変化させる発がんプロモーターとして機能するからだけでなく、発生中の腫瘍を破壊したり、その拡大を抑制したりする外因性の腫瘍抑制因子としても機能するからである。しかし、免疫能がある人でも臨床的に明らかながんが発生するのは、がんが免疫抑制を誘発することが一因である。多くの人では、T細胞上に発現しているCTLA-4(cytotoxic T-lymphocyte associated antigen-4)とPD-1(programmed death-1)という2種類の免疫調節受容体が、免疫抑制を仲介している。CTLA-4および/あるいはPD-1を標的とするモノクローナル抗体ベースの治療法(チェックポイント阻害療法)は、さまざまな悪性腫瘍の患者に対する持続的反応をはじめ、著しい臨床効果を挙げている。しかし、チェックポイント阻害免疫療法によって活性化されるT細胞の標的として働く腫瘍抗原の正体についてはほとんど解明されておらず、それが、腫瘍特異性の高いワクチンの作製に利用できるかどうかもほとんど分かっていない。今回我々は、ゲノミクスとバイオインフォマティクスの手法を用いて、進行性に増殖する肉腫を持つマウスに抗PD-1療法および/あるいは抗CTLA-4療法を施した後、主要なT細胞拒絶抗原となる腫瘍特異的変異タンパク質を同定し、これらの変異エピトープを組み込んだ治療用の合成長鎖ペプチドワクチンが、チェックポイント阻害免疫療法に匹敵する腫瘍拒絶を引き起こすことを明らかにする。進行性に増殖する腫瘍には変異腫瘍抗原特異的T細胞が存在するが、抗PD-1療法および/あるいは抗CTLA-4療法後に再活性化され、一部は重複するものの大部分は療法特異的な転写プロフィールを示し、腫瘍拒絶を仲介できるようになる。これらの結果から明らかなように、腫瘍特異的な変異抗原はチェックポイント阻害療法の重要な標的となるだけでなく、個別のがんに特異的なワクチンの開発や、異なったチェックポイント阻害療法の作用機序の解明に利用できるだろう。

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