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がん:質量分析とエキソーム塩基配列解読の併用による腫瘍免疫原性変異の予測

Nature 515, 7528 doi: 10.1038/nature14001

ヒトの腫瘍では通常、非常に多数の体細胞変異が見られる。そのような変異を含むペプチドは、主要組織適合複合体クラスI分子(MHCI)上に提示されると、適応免疫系により「非自己」新抗原と認識されると考えられ、免疫原性を持つと予想される。最近の研究では、変異体ペプチドがT細胞エピトープとして機能し得ることが確認されている。しかし、変異エピトープはほとんど報告されていない。それは、変異エピトープの発見には、腫瘍のエキソーム塩基配列解読を行って構築された抗原ライブラリーを患者の腫瘍浸潤リンパ球が認識できるかどうかのスクリーニングを行わなくてはならず非常な労力が必要となるからである。我々は、免疫原性を持つ変異ペプチドの一般的な特徴付けを行うことで、このようなペプチドの発見をより簡単にする方法を探索し、全エキソームと全トランスクリプトームの塩基配列解読解析と質量分析法を併用する手法を開発し、2つの広く使用されているマウス腫瘍モデルで新エピトープを探索した。1300を超えるアミノ酸変化が見つかり、そのうちの約13%がMHCIに結合すると予測され、さらにその一部について質量分析によりMHCIとの結合が確認された。次いで、このようなペプチドとMHCIとの結合を構造的にモデル化した。溶媒に曝露されていて、そのためにT細胞抗原受容体に接近可能である変異が免疫原性を持つと予測された。免疫原性を持つと予測されたこのようなペプチドを個々にマウスに接種すると、治療効果のあるT細胞応答が生じたことから、この手法の妥当性が確認された。この予測から、ペプチドとMHCIデキストラマーの作製も可能になり、これはワクチン接種の前後での抗腫瘍T細胞応答の反応速度論的性質や分布を追跡するのに使用できると考えられる。これらの知見は、適切な予測アルゴリズムは、T細胞応答の薬力学的監視の手法となるだけでなく、がん患者の個別化ワクチン開発にも使える可能性を示している。

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