Nature ハイライト

がん:遊離基の役割の大逆転

Nature 475, 7354

遊離基などの活性酸素種(ROS)は変異原であり、腫瘍形成を促進すると考えられている。しかし今回、マウス細胞でがん遺伝子であるKrasBrafMycは、内因的な発現量で実際にはROS濃度を低下させることが示された。一部のがん遺伝子は転写因子Nrf2を誘導し、これがROSの無毒化に働くことも明らかになった。Nrf2を欠失させるとK-Ras誘導性膵がん形成が障害されることは、これらの知見と一致している。したがって、細胞の酸化還元状態の調節は、ROSの腫瘍形成能を決めるうえで重要な因子であるらしく、治療の標的になる可能性がある。

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