Nature ハイライト

医学:抗ヒスタミン剤と受容体の複合体

Nature 475, 7354

一般的な抗ヒスタミン剤は、Gタンパク質共役受容体(GPCR)の一種で、気道や腸管平滑筋、脳などのいろいろな組織に発現しているヒスタミンH1受容体(H1R)のアンタゴニスト(拮抗薬)である。今回、第一世代のH1R拮抗薬であるドキセピン存在下でのヒトH1RのX線結晶構造が報告された。それにより、ドキセピンは他のアミン作動性GPCRの構造に比べてずっと深いポケットの中に位置していることが明らかになった。薬剤とタンパク質の相互作用を解析することで、現在使用可能な薬剤よりも選択性が高く、副作用を引き起こす可能性の低い抗ヒスタミン剤の開発が進むだろう。

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