Nature ハイライト

構造生物学:銅輸送の仕組みを解明する

Nature 475, 7354

クラスIBのP型ATPアーゼは、重金属、特に銅の濃度を調節することで重要な細胞機能を果たしている。つまり、このようなATPアーゼは、タンパク質補因子を供給し、細胞内濃度を適切に維持して、有毒反応を防止している。ヒトでは、このクラスの2つのタンパク質(銅ポンプATP7AとATP7B)の欠損によって、重症のメンケス病とウィルソン病が引き起こされる。今回、クラスIB P型Cu+-ATPアーゼの、銅が結合していない状態のX線結晶構造が決定された。レジオネラ菌(Legionella pneumophila)のCu+-ATPアーゼであるCopAの構造は、銅輸送経路には3つの主要な場所、つまり細胞質側の「入り口」部位、細胞膜内の結合部位、細胞外の「出口」部位が存在することを示唆している。

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