Nature ハイライト
		
		
        
		
		心臓学:渦巻きが心臓の危険な乱れの原因となる
Nature 555, 7698
心室細動は心臓の拍動や機能の乱れで、命に関わることもあり、電気的活動の異常なパターンにより心筋内に機械的な渦が生じることで誘発されると考えられている。この活動は視覚化されたことはなく、心臓表面で電気的な渦が観察されることから推測されているにすぎない。J Christophたちは今回、高分解能の四次元超音波画像化技術と光学マッピングを組み合わせて、灌流したブタの心臓で規則的な拍動中に心室筋全体に伝わる、収縮・拡張中の組織の機械的な三次元波を可視化した。心室細動を誘導すると、電気的・機械的な渦状の回転波が心室壁内で生じた。この知見は、心臓内の三次元の渦様の波が心臓不整脈を引き起こすとする、30年前に出された推測を裏付けている。
2018年3月29日号の Nature ハイライト
- 量子物理学:シリコンにおける強い結合
- 化学:分子の作り方を自ら学ぶコンピューター
- 遺伝学:発達障害の調節性変異
- 微生物学:抗生物質ではない治療薬も、腸内細菌に対して抗生物質と同じ影響を及ぼす
- 天文学:問題の物質はどこにある?
- 量子物理学:シリコンベースのスピン量子プロセッサー
- 惑星科学:火星の海洋の年代を定める
- 感覚系:熱傷回避の裏で働く遺伝子トリオ
- 心臓学:渦巻きが心臓の危険な乱れの原因となる
- 代謝学:肥満マウスでは肝臓の酵素DPP4が脂肪組織に炎症を引き起こす


