Nature ハイライト

植物科学: ミカン類の広がり

Nature 554, 7692

ミカン類の果実は世界的に最も多く栽培されている作物の1つだが、個々のミカン種の間の進化的類縁関係はいまだ明らかにされていない。今回D RokhsarとM Talonたちは、多様なミカン種を代表する60系統(新たにゲノム塩基配列が解読された30系統を含む)のゲノムを解析した。その結果、ミカン類の多様性および進化が種レベルで明らかになり、ミカン種間の雑種や、交雑による遺伝的混合が複数見いだされた。こうした雑種や遺伝的混合は、移動や農業などの人間活動によって生じた可能性がある。著者たちは、祖先的なミカン種10種を特定するとともに、ミカン類が東南アジアで出現し、モンスーンの弱化などの気候変動に関連する東南アジアでの急速な放散によって後期中新世に多様化したことを示している。また、マンダリン類やスイートオレンジ類に大規模な類縁関係が見いだされ、ミカン類の栽培化の過程で起こった複雑な遺伝的混合の歴史が明らかになった。

Article p.311
doi: 10.1038/nature25447 | 日本語要約 | Full Text | PDF

2018年2月15日号の Nature ハイライト

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