Nature ハイライト

ウイルス学:KSHVの構造から得られた、ウイルス複製をストップさせるための手掛かり

Nature 553, 7689

カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)は、AIDS患者で広く発症するがんであるカポジ肉腫を引き起こす。KSHVは、約3000個のタンパク質からなる巨大なウイルスで、その構造の決定は難問とされてきた。今回H Zhouたちはクライオ(極低温)電子顕微鏡法を用いて、KSHVキャプシドの4.2 Å分解能での構造を解いた。これを基に作られた原子モデルは、変異誘発解析によっても確認され、キャプシドを安定化するのに重要な分子相互作用が明らかになった。著者たちは、ウイルスの複製の阻害にこれらの相互作用が使えることを実験によって示している。

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