Nature ハイライト

応用物理学:立体ディスプレイ

Nature 553, 7689

三次元動画は、長い間、SFの中の話であった。実際には、光を操作することによって三次元の外観に近づけることが多いが、そうした方法には、視野角が狭い、特殊な視覚装置を頭部に装着する必要がある、などの制約がある。今回D Smalleyたちは、この解決策を提示している。この方法では、三次元物体が実空間に表示され、表示された画像は、あらゆる角度から見ることができるとともに、同じ物理空間を占める固体物体と共存し、包み込むことすらできる。不可視に近い光場によって、微小粒子がトラップされ、体積空間中を移動する。粒子が動く際に、赤色、緑色、青色のレーザー光を照射すると、任意の色の点光源が生成され、画像化対象物体の表面が描画される。粒子の走査速度が十分速ければ、人間の眼の「リフレッシュレート」が遅いことに起因する残像によって、固体三次元表面の外観に見える。走査速度をもっと速くすると、物体の像が動いているように見える可能性がある。

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