Nature ハイライト

Cover Story:アルツハイマー病のもつれを解く:タウ繊維の高分解能構造が脳内のタンパク質凝集体に光を当てる

Nature 547, 7662

タウタンパク質のらせん状繊維の対。
タウタンパク質のらせん状繊維の対。 | 拡大する

Credit: Thomas Martin

表紙の画像は、対をなしているらせん状のタウタンパク質繊維であり、アルツハイマー病におけるもつれの主成分である。タウ繊維が形成するタンパク質封入体は、アルツハイマー病などのさまざまな神経変性状態を伴う人々の脳の神経細胞内部で見られる。今回S ScheresとM Goedertたちは、アルツハイマー病のタウタンパク質の2つの形態の高分解能構造を初めて明らかにしている。この繊維は、アルツハイマー病患者の脳から単離され、低温電子顕微鏡を用いて画像化された。どちらの形態でも、個々のタウタンパク質はC字形をしていて(白と青)、互いに積み重なって繊維を形成する。こうした繊維の高分解能構造は、新しい診断法や治療化合物の開発に役立つ可能性がある。

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