Nature ハイライト

気候科学: 融解水の流出が棚氷を安定させる

Nature 544, 7650

棚氷の崩壊は、表面融解水によって早まる可能性がある。表面融解水はクレバスに浸透し再凍結して、水圧破砕を起こし得るためだ。そうした機構は、南極半島のラーセンB棚氷の崩壊で観測されている。今回R Bellたちは、南極のナンセン棚氷において、表面の川が1世紀以上にわたって活動していることを示している。表面の川の終端は滝となっており、棚氷によって毎年生成される表面の融解水全てを1週間で流出させることができる。従って、ナンセン棚氷では、この表面の流出機構は、棚氷が融解水によって不安定化するのを防いでいる可能性があると思われる。融解水が保持される系もあれば、流出する系もある理由は今のところ分かっていないが、今回の知見は、融解水が普遍的に破壊的な力ではない可能性を示唆している。一方、J Kingslakeたちは、南極全域の融解水の範囲について報告し、表面の水系が南緯85度、海抜1300 mまでの範囲で数十年にわたって存在していることを見いだしている。また、表面の水は100 km以上移動し、長さ80 kmに及ぶ池を作り出すことも示された。

News & Views p.306
doi: 10.1038/544306a | 日本語要約 | Full Text
Letter p.344
doi: 10.1038/nature22048 | 日本語要約 | Full Text | PDF
Letter p.349
doi: 10.1038/nature22049 | 日本語要約 | Full Text | PDF

2017年4月20日号の Nature ハイライト

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