Nature ハイライト

免疫:エイコサノイドはインフラマソームの働きを仲介する

Nature 490, 7418

インフラマソームは、複数のタンパク質からなる複合体であり、細胞性病原体に対して早期の細胞応答を引き起こす。インフラマソーム活性化の機序については盛んな研究が行われてきたが、インフラマソームの下流でどのような経路が活性化されるのかについては比較的不明な点が多い。今回、in vivoでの全身的なインフラマソーム活性化によって、エイコサノイドと呼ばれる強力なシグナル伝達脂質が急速に誘導され、血液から壊滅的な体液喪失が起こり、30分以内にそのマウスが死亡することが示された。感染部位に限って見れば、エイコサノイドは局所の血管透過性を亢進させて免疫細胞の移入を促すなど、生体防御に有益な役割を持つと考えられる。

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