Nature ハイライト

宇宙:1つの星団に2つのブラックホール

Nature 490, 7418

球状星団M22の光学画像(左)と、その中央付近で新たに発見された2つのブラックホールの電波画像(右)。
球状星団M22の光学画像(左)と、その中央付近で新たに発見された2つのブラックホールの電波画像(右)。 | 拡大する

Credit: D. Matthews/ A.Block/ NOAO/ AURA/ NSF

現在の共通見解では、典型的な球状星団は、たった1個の恒星質量ブラックホールを維持するための余裕しかない。もっと多くのブラックホールが形成されても、1つを除いて全部が、その後の力学的相互作用によって外にはじき出されてしまうと考えられている。しかし今回、天の川銀河にある球状星団M22の観測から、この1つの球状星団に2つの電波源があり、それぞれ、降着を起こしている太陽質量の10倍のブラックホールに典型的な性質を示すことが明らかになっている。このことは、ブラックホールの放出が、ほとんどのモデルで予想されているよりも効率的でないことを示している。そしてそれにとどまらず、M22には数十個のブラックホールからなる集団が存在し、単一ブラックホールや質量移行のない連星系としてそれぞれが存在している可能性が推測されている。

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