Nature ハイライト

医学:乳がんにおける遺伝子の多様性

Nature 490, 7418

がんゲノムアトラス・ネットワークは今回、825人の患者の原発性乳がんに関する多面的な解析について報告している。エキソーム塩基配列解読、コピー数変化、DNAメチル化、メッセンジャーRNAアレイ、マイクロRNA塩基配列解読およびプロテオーム解析が行われ、それらの結果の統合的解析から、乳がんの不均一性が明らかになった。すべての乳がんで10%を超える頻度で変異を生じていたのは、TP53PIK3CAおよびGATA3というたった3個の遺伝子だけである。サブタイプに関連した変異や新規変異が多数見つかったのに加えて、シグナル伝達経路に明確な特徴を持つ2つの新しい乳がんサブグループが同定された。これらの解析からはまた、臨床的に観察可能な可塑性や不均一性の大部分は、乳がんの主要なサブタイプ間にわたって見られるものではなく、サブタイプ内で起こっていることが示唆されている。

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