Nature ハイライト

ナノスケール材料:三次回路素子を用いた脳型コンピューティング

Nature 585, 7826

ハードウエアに基づく脳型コンピューティングの手法は、生体機能をシミュレートする複雑なトランジスター回路に依存している。これに対し、高次回路素子にはニューロンの多彩な非線形ダイナミクスをより自然に表現できる可能性があるが、三次の複雑さを有する回路素子はまだ実験的に実現されていない。今回S Kumarたちは、三次回路素子を実証し、トランジスターを使わないそうした素子のネットワークによって、ブール演算を実行でき、特定のグラフ問題のアナログ解を見いだし得ることを示している。三次回路素子が実現されたことで、ニューロモルフィック人工知能の実装が可能になるだけでなく、精神疾患などの高次脳機能のモデルを探るプラットフォームが得られる可能性もある。

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