Nature ハイライト

分子生物学:白血病で見られるスプライシングとDNAメチル化の協調的変化

Nature 574, 7777

O Abdel-Wahabたちは今回、急性骨髄性白血病試料の大規模データセットを解析し、これらの試料では、RNAスプライシング因子のSRSF2と、多様な作用を持つが、とりわけクロマチン調節による遺伝子発現調節が主な機能であるIDH2という2つの遺伝子の両方に変異が生じている頻度が高いことを明らかにしている。この2つの変異が存在すると、スプライシングへの影響がより重大なものになった。こうした影響には、インテグレーター複合体の構成因子であるINTS3のスプライシング変化が含まれ、これはINTS3の発現低下を引き起こし、白血病発生の促進につながる。INTS3の脱調節は、スプライシング異常だけでなく、INTS3のDNAメチル化上昇にも依存する。これらの知見は、がんでのRNAスプライシングとエピジェネティック調節の間のつながりを明確に示している。

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