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地球科学:音波速度測定によって明らかになった下部マントルの玄武岩質地殻

Nature 565, 7738

高圧鉱物の音波速度の実験室内での測定によって、マントル深部の組成と構造に関する重要な情報が得られる。しかし、主要な高圧相の1つであるケイ酸カルシウム(CaSiO3)ペロブスカイトの測定は、この相を大気圧下でクエンチできないためにこれまで行われていなかった。今回S Gréaux(愛媛大学ほか)たちは、CaSiO3ペロブスカイトのX線回折と超音波干渉のin situ測定を、マントル遷移層の底に対応する温度と圧力まで行った結果を報告している。彼らは、CaSiO3ペロブスカイトの剛性率が理論予測より約26%低く、660〜770 kmの深さでは、玄武岩質組成の音波速度がこれまでの予測よりかなり遅くなることを見いだした。これは、下部マントル最上部に玄武岩質の地殻物質が蓄積されていることを示唆しており、深さ660 kmより下では地震波速度が遅いという観測結果と一致している。

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