Nature ハイライト

計算生化学: 治療用タンパク質をde novoに設計する方法の改良

Nature 565, 7738

天然の免疫サイトカインであるインターロイキン-2(IL-2)は、がんの治療に非常に有望だが、熱安定性が低く、数種類の受容体との好ましくない交差反応性を持つなど、いくつか欠点があり、古典的な変異誘発法でこうした問題を解決するのは難しい。今回D Bakerたちは、計算論的手法を使って、IL-2とIL-15の模倣体neoleukin-2/15を設計した。この模倣体は、IL-2受容体のβγcヘテロ二量体との結合部位のみを保持しつつ、IL-2受容体、IL-15受容体のαサブユニットとの結合部位は持たず、しかもトポロジーやアミノ酸配列がIL-2やIL-15とは異なっている。黒色腫と大腸がんのマウスモデルにおいて、neoleukin-2/15はIL-2に比べて優れた治療効果、熱安定性の向上、毒性の低下を示し、免疫原性の兆候は見られなかった。このような安定的な模倣体をde novoに設計する戦略は、多くのサイトカインやシグナル伝達タンパク質にも簡単に応用できる。

News & Views p.165
doi: 10.1038/d41586-018-07883-z | 日本語要約 | Full Text | PDF
Article p.186
doi: 10.1038/s41586-018-0830-7 | 日本語要約 | Full Text | PDF

2019年1月10日号の Nature ハイライト

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