Nature ハイライト
		
		
        
		
		神経科学:連合記憶系の配線図
Nature 548, 7666
過去の経験を基にして行動を導くために、動物は高次の平行繊維系を進化させた。哺乳類の小脳やある種の昆虫のキノコ体はそうした例である。これらの回路は多数の連合記憶を形成するのに特化したものだが、神経解剖学的なデータが不足しているために、こうした回路を完全に理解するには至っていない。今回A Cardonaたちは、この連合系の1つであるショウジョウバエ(Drosophila)幼虫のキノコ体について、初めてシナプス単位の分解能で完全な配線図を描き上げた。この研究で、例えば投射ニューロンからケニヨン細胞へのランダムな結合と定型的な結合など、複数の新しい意外な神経回路が明らかになった。今回の知見は、神経科学、心理学、ロボット工学における今後の実験やモデル化を促すだろう。
2017年8月10日号の Nature ハイライト
- 進化学:類人猿の祖先の進化
- 神経科学:連合記憶系の配線図
- 光学:例外点の例外的な光学特性
- 環境科学:生態系の干ばつからの回復
- 生態学:高次相互作用が種の多様性を維持する
- 人類学:青銅器時代のヨーロッパ人の遺伝的祖先
- 幹細胞:幹細胞発生の抑制因子
- がん:がんにおける不活性型の変異型BRAF
- 構造生物学:タンパク質の自己集合が止まらなくなる「ホットスポット」


