Nature ハイライト

細胞周期:サイクリンD3–CDK6代謝によるがん細胞の生存

Nature 546, 7658

サイクリン–CDK複合体は、がんでは一般に発現量が増えていて、細胞周期の進行を促進している。CDK4/6の阻害剤は、CDKの基質であるRB1の発現が続いている患者で有効だと考えられており、現在臨床試験が行われている。今回、サイクリン–CDK複合体の1つであるサイクリンD3–CDK6に、細胞の代謝を調節して生存を促進するという、もう1つの役割があることが明らかにされている。この複合体は、がん細胞で過剰に活性化されると解糖系の2つの酵素をリン酸化して不活性化する。これによって、解糖系の中間体がペントースリン酸経路とセリン経路へと振り向けられるようになり、抗酸化能が高まる。CDK4/6阻害剤は、サイクリンD3–CDK6複合体の発現レベルが高い腫瘍細胞で酸化ストレスを増強することで、アポトーシスを誘発できる。これらの知見から、RB1に加えて、サイクリンD3–CDK6複合体レベルのようなマーカーも、CDK4/6阻害剤に応答性を示す患者の見極めに役立つ可能性が出てきた。

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