Nature ハイライト
		
		
        
		
		神経科学:一夫一妻制ハタネズミの社会的絆形成
Nature 546, 7657
 
	    Credit: Zack Johnson
多くの哺乳類種は一夫一妻型のペアの絆を形成しないが、プレーリーハタネズミ(Microtus ochrogaster)はそうした絆を形成する。報酬処理ネットワークをなす脳結合領域でのオキシトシンおよびドーパミン信号が社会的絆形成行動を促すとされているが、その神経機構は明らかになっていなかった。今回R Liuたちは、ハタネズミの前頭前野と側坐核の間の結合で活動を刺激すると、交尾を伴わなくても、提示されたパートナーに対する雌の嗜好に偏りが生じることを示している。これは、この結合が単に社会的絆形成と相関しているのではなく、それを実際に強化できることを示唆する。今回の知見により、脳の報酬系が社会的相互作用によって動員されて社会的絆を形成し得る仕組みが明らかになった。
2017年6月8日号の Nature ハイライト
- 神経変性疾患:相転移が伸長したRNAを毒性化する
- 構造生物学:クラスB完全長GPCRの構造
- 物性物理学:平面世界の磁性
- 光物理学:光通信の大規模化
- 進化学:まれな移動個体が分岐選択を制限する
- 神経科学:一夫一妻制ハタネズミの社会的絆形成
- がん:BCRシグナル伝達によってリンパ腫は競合で有利になる
- 遺伝学:タンパク質の状態をマッピングする


