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神経科学:一夫一妻制プレーリーハタネズミの雌の社会的絆に偏りを生じさせる皮質線条体活動の変化

Nature 546, 7657 doi: 10.1038/nature22381

成熟動物のペアの絆形成では、他個体の認識や評価に劇的な変化が生じる。1つのカギとなる変化は、パートナーが脳の報酬系を確実に活性化するようになることであるが、社会における性的な相互作用の際に、パートナーが報酬を喚起するようになって絆が成立する正確な神経機構は分かっていない。今回我々は、社会的絆のモデル、プレーリーハタネズミ(Microtus ochrogaster)を用い、内側前頭前野から側坐核への機能的回路が動的に調節を受けて、パートナーに対する雌の親和行動が強化される仕組みを示す。この機能的結合の強さ、特に最初の交尾遭遇後の強さには個体差があり、そこからどれほど早くパートナーとの親和的な身の寄せ合いを始めるかを予測できる。交尾なしの社会的遭遇時にこの回路を周期的に活性化させると、その後のパートナーへの親和性に偏りが生じ、このことから、この回路の活動は単に親和形成の早さと相関しているのではなく、親和形成を加速する原因になっていることが分かる。これらの結果は、絆形成中の皮質線条体活動を動的に観察した初めての例であり、社会的相互作用が脳報酬系を動員して親和行動の変化を導く仕組みを明らかにしている。

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