Nature ハイライト

神経障害:脊髄損傷後の霊長類での歩行運動の回復

Nature 539, 7628

脳・脊髄インターフェースは、脳の信号を読み取る微小電極アレイ(画面左下;シリコン製の脳モデルに接着したもの)と、この情報をワイヤレスで受信して脊髄に刺激を送るパルス発生器(画面奥)からなる。
脳・脊髄インターフェースは、脳の信号を読み取る微小電極アレイ(画面左下;シリコン製の脳モデルに接着したもの)と、この情報をワイヤレスで受信して脊髄に刺激を送るパルス発生器(画面奥)からなる。 | 拡大する

Credit: Alain Herzog / EPFL

G Courtineたちは今回、完全埋め込み型のワイヤレス脳・脊髄インターフェースを使い、脊髄片側を損傷させたサルの歩行運動を訓練なしで改善できることを示した。著者たちはまず、サルの運動皮質の脚領野に電極アレイを埋め込み、さらに腰髄に刺激器を埋め込んで、リアルタイムでのデコーディングと刺激ができるようにした。このシステムでは運動皮質からのデコードされた活動を使って、腰髄の「ホットスポット」部位を刺激すると、それによって歩行運動中の後肢の屈曲および伸展が調節される。無傷状態のサルでは、歩行運動中のこのようなホットスポット刺激によって標的となる筋の屈曲や伸展が強化された。次いでこのサルで脊髄片側を損傷させたところ、損傷を受けてから6日後には麻痺した後肢の負荷歩行運動が回復した。この原理実証研究は、同じようなシステムによって脊髄損傷患者の歩行運動を改善または回復できる可能性を示している。

2016年11月10日号の Nature ハイライト

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