Nature ハイライト

古人類学:フローレス原人の第2の遺跡

Nature 534, 7606

今回マタ・メンゲで発掘された下顎の断片化石。
今回マタ・メンゲで発掘された下顎の断片化石。 | 拡大する

Credit: Kinez Riza

小型のヒト族であるフローレス原人(Homo floresiensis)の遺骨は、最近まで、インドネシア・フローレス島のリャン・ブア洞窟1か所でしか見つかっていなかった。しかし今週号の2本の論文で報告されているように、フローレス島のリャン・ブアの東に位置するマタ・メンゲという第2の遺跡で新たな化石が見つかった。G van den Berghたちは、下顎の断片1個と複数個体由来の分離した歯について記載している。これらはリャン・ブアの下顎や歯と同等かそれ以上に小型だが、はるかに古い約70万年前のものであり、その形態は起源がアジアのホモ・エレクトスであることを裏付けている。またA Brummたちは、マタ・メンゲ遺跡の層序や年代、環境および動物相の背景を示している。このヒト族は約70万年前に、高温で乾燥したサバンナ草原で、強固な湿地要素も伴う場所に住んでいた。この化石群と共に見つかった石器は単純なものであり、年代がはるかに新しいリャン・ブアのフローレス原人に付随する石器に酷似している。

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