Letter
古人類学:フローレス島における既知で最古のヒト族化石の年代と背景
Nature 534, 7606 doi: 10.1038/nature17663
フローレス島中央部ソア盆地のマタ・メンゲ(インドネシア)の中期更新世前期遺跡で最近行われた発掘で、後期更新世のフローレス原人(Homo floresiensis)の祖先集団のものと見られるヒト族化石が見つかった。本論文では、マタ・メンゲのヒト族標本の年代および背景と、関連する考古学的知見について記載する。これらの化石が2014年にin situで発掘された河成砂岩層は、約70万年前に小さな谷川に堆積したものであることが、層序学的に一括される火山灰および火砕密度流の堆積物の40Ar/39Arとフィッショントラック法による年代測定と、歯の化石のウラン系列および電子スピン共鳴の併用による年代測定を組み合わせることで示された。古環境データは、中期更新世前期のソア盆地が比較的乾燥した気候であったことを示しているが、さまざまな種類の証拠は、このヒト族が湿地要素を伴うサバンナ様の開けた草原環境に住んでいたことを示唆している。このヒト族化石群は、島の動物相の化石や単純な石器を伴っており、石器の製作技術は後期更新世のフローレス原人に付随するものに酷似している。

