Nature ハイライト

構造生物学:0.48 Å分解能で得られた金属タンパク質の構造

Nature 534, 7606

タンパク質の高分解能X線結晶構造は、研究成果として大々的に取り上げられることが多いが、それらの構造の分解能が3.0~1.5 Åより高いことはまれである。今回、好熱性紅色光合成細菌のThermochromatium tepidumに由来する電子伝達体である高電位鉄–硫黄タンパク質(HiPIP)の分解能0.48 Åでの構造が報告された。これは、今までに報告されたタンパク質のX線結晶構造の中で分解能が最も高いものの1つである。この金属タンパク質の超高分解能構造により、その中心にある鉄–硫黄クラスターの電荷密度解析を行うことが可能になり、Fe4S4クラスター中の鉄原子と硫黄原子周辺の価電子の分布を可視化できた。この結果は、金属タンパク質の構造と機能の関係をサブ原子レベルで解明するのに役立つだろう。

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