Nature ハイライト

がん:BET阻害剤に対する耐性の出現

Nature 525, 7570

BET阻害剤は、BRD4などのブロモドメインを持つクロマチン読み取り因子を標的としており、がんの有力な治療法として検討されている。今週号の2報の論文で、白血病モデルでのBET阻害耐性に関わっている可能性のある機構が明らかにされた。M Dawsonたちは、MLL–AF9モデルで白血病幹細胞から耐性が生じ、その一因がWntシグナル伝達の亢進であることを明らかにした。J Zuberたちは、PRC2複合体の抑制が、MYCなどのBRD4標的遺伝子の転写調節の再編により、急性骨髄性白血病細胞にBET阻害剤耐性を付与することを見いだした。さらに、Wntシグナル伝達が耐性の主要なドライバーであることも示唆された。

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