Nature ハイライト

免疫学:微生物相は病気を促進する好中球を調節する

Nature 525, 7570

血液中で最も数の多い白血球種である好中球は短命な細胞で、自然免疫に重要な役割を担っている。しかし、活性化した好中球は炎症性サイトカインを分泌することによっていくつかの病気を助長することがある。細胞培養系中で老化した好中球は、遊走することが少なくなり、また機能が低下する。今回P Frenetteたちは、長い間循環中にあって老化した好中球は、炎症促進活性がより高くなっていること、また鎌状赤血球症のマウスモデルでは血管閉塞の一因となっていることを明らかにしている。好中球の老化はToll様受容体およびアダプター分子Myd88を介して微生物相によって調節されることも分かった。微生物相を除去すると、老化の表現型を持つ好中球の数とその炎症誘導活性が大きく低下する。

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