Nature ハイライト

心血管疾患:心疾患に伴うフルクトース代謝

Nature 522, 7557

W Krekたちは今回、病的心肥大に伴って起こる心筋低酸素が、肥大型心筋症のマウスモデルおよび患者の心臓で低酸素誘導因子1α(HIF1α)活性刺激を介して、フルクトース代謝を促進することを見いだした。HIF1αは次にスプライシング因子SF3B1を活性化し、SF3B1はフルクトース代謝酵素ケトヘキソキナーゼA(KHK-A)から、フルクトース親和性が高いKHK-Cアイソフォームへのスプライシングの切り替えを引き起こす。SF3B1の枯渇あるいはKHKの欠失は、病的心肥大と収縮不全を抑制し得る。フルクトースは主要な食餌由来の糖で、肝臓で代謝され、その過剰消費はメタボリックシンドロームのさまざまな病態に関与すると考えられている。この研究から、局所的低酸素が不適切なフルクトース代謝を引き起こす可能性が示唆され、HIF1α–SF3B1–KHK-C経路が治療標的として有望であることが明らかになった。

2015年6月25日号の Nature ハイライト

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