Nature ハイライト

物理化学:閉じ込められてできた二次元正方格子状の氷

Nature 519, 7544

透過型電子顕微鏡(TEM)が捉えた「スクエアアイス」。暗点は酸素原子に対応し、水分子の位置を示している(水素原子は小さ過ぎるため解像されない)。右上は結晶中央部を拡大したもの。
透過型電子顕微鏡(TEM)が捉えた「スクエアアイス」。暗点は酸素原子に対応し、水分子の位置を示している(水素原子は小さ過ぎるため解像されない)。右上は結晶中央部を拡大したもの。 | 拡大する

Credit: University of Ulm, Germany

界面に吸着した水や微小な細孔に閉じ込められた水は、材料科学や地質学から生物学、ナノテクノロジーまでの多くの分野で重要な役割を果たしている。このような「低次元」水の理論的構造は多数提示されているが、それらの構造を実験的に調べることは難しい。今回、2枚のグラフェンシートに挟まれた水の画像が高分解能電子顕微鏡法を用いて得られ、水分子が二次元正方格子状に並んだ「スクエアアイス(square ice)」相の存在が明らかになった。この相は、水素結合の構造が他の水の相とは全く異なる。分子動力学シミュレーションから、水を閉じ込めているグラフェンシートによる圧力がスクエアアイス相の安定化を助けていることが明らかになり、この新たに確認された水の結晶形は疎水性ナノチャネル内に、厳密な原子的性質とは無関係に存在することが示唆された。

2015年3月26日号の Nature ハイライト

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