Nature ハイライト

神経科学:視床室傍核と学習・記憶

Nature 519, 7544

恐怖関連記憶は扁桃体に保存され、動物の一生にわたって利用され得る。しかし、この記憶がさまざまな時点で想起されるのに必要な回路はまだ分かっていない。最近、マウスに身体的・心理的ストレスをかけると、視床室傍核(PVT)が強く活性化することが分かったが、今回2報の論文で、恐怖連合記憶の短期保持から長期保持への移行の際に、PVTが視床での記憶と想起の重要なノードとして役割を果たすことが示された。M Penzoたちは、行動恐怖訓練後に、PVTから扁桃体の特定部位への投射を抑制すると、扁桃体中の特定の介在ニューロン群上のシナプスで、恐怖によって誘発される典型的な強化現象が阻害されることを介して、恐怖条件付けが妨げられることを示した。F Do-Monteたちは、想起を早い時点と遅い時点とに分け、PVTは遅い時点での恐怖記憶の想起に重要であるのに対し、早い時点の想起に限っては、前辺縁前前頭皮質から扁桃体へ投射する別の回路が重要であることを示した。

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