Letter

物理化学:グラフェンナノ毛細管中に形成されたスクエアアイス

Nature 519, 7544 doi: 10.1038/nature14295

バルク水は、液体、水蒸気、多くの結晶相やアモルファス相の氷など、さまざまな形で存在し、中でも六方晶の氷は魅力的な種々の雪片に関与している。バルク水に比べればはるかに目立たないものの、同様に至る所に存在するのが、界面に吸着した水や微小細孔に閉じ込められた水である。そうした低次元水は、材料科学、地質学、生物学、摩擦学、ナノテクノロジーにおけるさまざまな現象の局面を左右する。理論からは、吸着水や閉じ込められた水がとり得る相が数多く提示されているが、そうした結晶構造を実験的に評価することは困難であることが分かっていた。今回我々は、疎水性閉じ込めの典型例である、2枚のグラフェンシートの間に閉じ込められた水の、高分解能電子顕微鏡イメージングについて報告する。室温のナノ閉じ込め水が、二次元正方格子状の氷「スクエアアイス(square ice)」を形成することが、電子顕微鏡観察によって明らかになった。この相は、水分子間の水素結合の対称性が通常の正四面体構造と質的に異なる。スクエアアイスは、充填密度が高く、格子定数が2.83 Åで、集合して2層や3層の微結晶を形成する。分子動力学シミュレーションによって、スクエアアイスは、厳密な原子的性質とは無関係に、疎水性ナノチャネルの内部に存在するはずであることが示された。

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