Nature ハイライト

細胞生物学:SNAREタンパク質の回収機構

Nature 518, 7537

進化的に保存されたタンパク質であるSNAREは、神経伝達物質放出やホルモン分泌、小胞輸送などのさまざまな細胞内過程で、2つの細胞区画の膜の融合を引き起こす複合体を形成する。このような複合体は、融合が1回起こるとATPアーゼであるNSFとSNAPアダプタータンパク質によって分解され、個々のSNAREは次の膜融合のために回収される。今回単一粒子低温電子顕微鏡法を使って、NSFと20S複合体の構造が原子レベルからサブナノメートルレベルの分解能で決定された。明らかにされたのは、ATPあるいはADPと結合した状態の完全長NSFの構造と、2種類の異なるSNARE複合体を含む、約660キロダルトンのNSF/SNAP/SNARE (20S)超複合体の構造である。今回得られたデータにより、これらの非常に重要な分子機械の内部動作が、これまでよりずっと詳しく分かってきた。

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