Nature ハイライト

構造生物学:グルタミン酸輸送体の機構

Nature 518, 7537

今回、単一分子蛍光共鳴エネルギー移動(smFRET)画像化法、X線結晶学および分子動態シミュレーションを用いて、古細菌の1種であるPyrococcus horikoshiiのアスパラギン酸輸送体GltPhの動態および、2個の変異を導入したGltPh変異体の動態が明らかにされた。この変異体は基質への親和性は低下しているが、基質の輸送速度は上昇している。GltPhは、グルタミン酸輸送体のホモログで、グルタミン酸輸送体はヒトでは脳のシナプス内で神経伝達物質を低濃度に維持することによって、神経伝達に重要な役割を担っている。今回2個の変異が導入されたことにより、GltPhはヒトのグルタミン酸輸送体と似た作用を示すようになった。構造から、GltPhの異なる複数の輸送ドメインと足場ドメインの間の界面の開放状態(外向き状態と内向き状態間の移行に関連する)が、基質輸送速度に直接相関することが明らかになった。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度