Nature ハイライト

物理:量子磁性のモデル

Nature 501, 7468

極低温分子気体中の極性分子間には長距離双極子相互作用が働くため、分子の運動とスピンダイナミクスを完全に分離することができる。これは、量子磁性を研究する格子スピンモデルを実現するために魅力的な特徴となる。しかし、そうした双極子相互作用の測定された効果は、これまで非弾性衝突や化学反応の修正に限られていた。今回、三次元光格子にピン止めされた極性分子の双極子相互作用を利用して、格子スピンモデルが実現されている。この結果は、長距離相互作用を伴うさまざまなスピンモデルを実現する可能性を開き、スピン格子の多体ダイナミクスを将来研究するための基礎を築くものである。

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