Nature ハイライト

遺伝:低分子RNAを介して受け継がれる生殖系列の不死性

Nature 489, 7416

線虫(Caenorhabditis elegans)でのRNA干渉(RNAi)による遺伝子サイレンシングは、5世代以上にわたって遺伝することがある。S Kennedyたちは、RNAiサイレンシングシグナルが次世代以降に伝達されない変異を探して遺伝学的スクリーニングを行い、核に局在するArgonauteタンパク質を見つけ出してHRDE-1と命名した。このタンパク質は低分子干渉RNAに結合して、二本鎖RNAが導入された個体の子孫の生殖細胞で働き、サイレンシングが複数世代にわたって遺伝されるのを助ける。RNAi遺伝機構が持つ生物学的な機能の1つは、「生殖系列の不死性」を、妊性を促進する能力によって選ばれた低分子RNAという形で、世代の境界を越えて伝えることであると著者たちは考えている。

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