Nature ハイライト

社会心理学:寛大さはタイミングの問題

Nature 489, 7416

公共の利益のためには犠牲を払っても構わないと思っている人は多いが、そのような協力的行動の基礎となる認知機構については、ほとんど解明されていない。経済学の領域で行われた実験では、被験者は合理的な自己の利益に基づいて決断すべき事態に際して、協力的に寄与することがよく見られる。今回、我々は直観的に協力する傾向があるのか、それとも利己的な行動をする傾向があるのかが、1回型のゲームと繰り返し型のゲームの両方を含む10組のさまざまな実験を使って調べられた。そして、我々の直観的応答は協力であるらしいが、考える時間がもっとある場合には、自己の利益の論理が集団的行動を押さえ込み、より寛容でなくなることがわかった。

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