Nature ハイライト

細胞:幹細胞の自己複製

Nature 453, 7192

幹細胞は、自己複製能をもつために、生物の一生にわたって維持される。多能性前駆細胞は、何種類もの分化した細胞を作り出せる点で幹細胞に似ているが、自己複製はできず、寿命も限られている。マウスでの遺伝子ノックアウト実験により、わずか3個の遺伝子を欠失させるだけで、多能性前駆細胞を長期にわたって自己複製する細胞に変換させられることが明らかになった。この3個の遺伝子p16Ink4ap19ArfTrp53の本来の役割は、前駆細胞の自己複製を防ぐことである。これらの遺伝子がかかわる経路は通常、がんでは抑制されていることから、これは前駆細胞での腫瘍化性変異の機構と考えられるものを示唆している。

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