Nature ハイライト

気候:アマゾンの乾燥化の見通し

Nature 453, 7192

2005年にアマゾン西部の熱帯雨林で起きた深刻な干ばつは、北大西洋の異常に高い海面水温に関連するようにみえ、熱帯雨林の立ち枯れが気候システムの「転換点」になると考えさせるようになった劇的な事件だった。新たな解析から、この出来事は赤道大西洋全域にわたる海面水温の勾配に関してみるとよりよく理解でき、北半球における温度異常は1つの要因に過ぎないことが示唆された。大気のエアロゾルの影響をモデルに組み込むと、20世紀に観測されたこの温度勾配の変動を再現できる。さらに将来の変化傾向を予測したところ、このモデルから、2005年にみられたような干ばつをもたらす海面水温の状況が、より頻繁に起こるようになることが示唆された。

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